第3回 千年の眠りいまだ覚めず “銅鈴”
2017/04/25
今回紹介するのはこれ。ちょっと見ると黒っぽくて鉄みたいだけど、実はこれ青銅で出来た鈴なんだ。
今から12年前、厨台遺跡の片野地区南で竪穴住居から出てきたもので千年以上も土の中にあったというのに、ほとんどさびていなくて、中に入っている音子も動く状態でした。形は球状で中は中空、大きさは直径3.3cm、上の方に紐を通す穴のあいた四角形の短い突起がついています。表面には球を縛るように細い突帯が十字に巡っていて、下の中央部には細い裂け目があります。手でつまんで振り鳴らすと、千年前の清らかな鈴の音が、今でも良く聞こえます。
鈴は神に仕える巫女さんが、眠りについている神様を起こすときに使用した物らしく、後には神事や舞の楽器として神社などで使わています。千年の眠りから覚めたこの鈴、現在は誰を呼び覚ますのやら・・・