第19回 「猪様」
2017/04/25
みなさん縄文時代の鹿嶋ではどんな動物が身近にいたか知っていますか。イノシシ・シカ・イヌ…いろいろありますが、今回紹介するのは「イノシシ」です。
片岡遺跡(現在のギフトショップタクキ付近)を発掘調査したときは縄文時代後期(3000年ぐらい前)の土器と伴にイノシシの土製品が見つかりました。頭・四本の足・尾の先端が欠けていますが、ぷりっとした胴はたぶんイノシシです。胴は磨消縄文(すりけしじょうもん)といって、縄文を付けた後、線で区画した中をすり消して無文にした模様を付けています。背にはたてがみを表現しているような帯が付き両端には耳を表現したような突起がつきます。
縄文時代後期になるとこのような動物形土製品が東日本を中心に現れ特にイノシシは数多く見つかっています。生活の必要品・実用品とはちょっと違っていますね。何か儀式に使っていたのでしょうか。
昨年調査した神野遺跡(かのいせき)の縄文時代後期(3000年ぐらい前)の貝塚からはイノシシの骨も見つかっています。