今回は少し寒くなちゃうお話、「鉄鍋を被った人骨」だよ。
厨台遺跡群(鹿島神宮駅の北側)を発掘調査したとき中世(鎌倉・室町時代)・近世(江戸時代)のいくつもの墓域が見つかったんだけど、その中に変わった墓があったんだ。鉄鍋を頭に被った人骨でね、人骨を鑑定してもらったら30歳以降の男性と推定された。
被っていた鉄鍋は直径26cm、高さ約12.5cmの大きさで、底部は無くなっていた。よく観察すると内側に1対の耳(とって)が付いて、底は丸かったみたい。
この墓は人骨と一緒に見つかった古瀬戸(こせと)の灰釉平碗(かいゆうひらわん)や鉄鍋の形から、14世紀後半から15世紀の金閣寺を建てた足利義満が活躍していた時代のものだとわかった。
これまで厨台遺跡群の中・近世の墓は200以上掘ったけど、こんな例は初めて。どうして鉄鍋を被せたのか本当はわからない。鉄鍋は初めてだけど、土鍋は例があるから、何か特別な事情があるのかな。 |
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