埋文ニュース

第2回 ニッポンに象がいた頃 “ナウマン象の牙”

2017/04/25




 

今回紹介するのはスゴイヨ。
弓なりに曲がって白い槍のように尖っているけど、実はこれ化石、象の牙の化石なんだ。1981年8月16日、場所は津賀の土砂採取場(ガケ)で理科研究部会の先生方7人と屋外観察クラブの中学生4人が地層の観察をしている最中に、たまたま発見したんだって。牙の長さは約90cm、直径は太いところで7センチもあります。発見されたのが30~10万年も前のカキなどの貝の化石層なので、そのころ陸続きだった日本に渡ってきたナウマン象の切歯です。ナウマン象の切歯は県内でもまだ数例のみ、大昔の茨城、鹿嶋を知る上でとても貴重な資料になります。

*ナウマン象・・・ ドイツの地質学者にちなんだ名。ナウマンは東日本と西南日本に分ける大断層をフォッサマグナと命名した。
*ガケの調査は危ないから絶対1人ではしないでね。

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第1回 永遠の眠りの石枕

2017/04/25


石でできた冷たい枕。これ、古代人の水枕?いやいや、実は死者のための枕で、豪族(権力者)が永遠の眠りにつくため、古墳に埋められた副葬品なんだ。
昭和62年、当時の鹿島町が文化財に指定。佐田の 国神くにがみ 神社に奉納されていたらしいんだけど、盗難に遭ってはいけないと、現在は鹿嶋市教育委員会が管理しているんだ。同神社の ほこらのある場所は周囲より小高く盛り上がっていて、古墳(円墳)があったみたい。

滑石という加工しやすい石ででき、よく見るとのみで削った後が残っている。大きさは縦26センチ、横27,5センチ厚さ10センチ、重さは約12キロ。頭がおさまるように真ん中がくぼんでいる。 石の少ない千葉や茨城の古墳から多く出土しているのは、豪族たちが“最後のぜいたく”として使ったせいかもしれないネ。鹿嶋市内での確認はこれまでたった2例でもう一つは鹿島神宮が所蔵しているんだ。

(写真:ノミで削られた跡が残る石枕。くぼんだ部分に頭部が納まる)


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