北浦を望む台地上(鹿嶋市大字津賀字日光山)に所在する日光山古墳群は13基と周知されていましたが、現存している墳丘は6基のみです。他の古墳は土取りや開墾により消滅したと思われます。平成14年3月~4月に発掘調査したのは10号墳と13号墳。
10号墳は前方後円墳で、前方部が削られているものの残存状況は良好でした。後円部南側の裾部から未盗掘の主体部(箱式石棺)が発見され、人骨と副葬品の直刀4振、鉄鏃16本以上、刀子1本が見つかりました。直刀の1本の鍔には「の」形の象嵌が施されています。周溝からは土師器の杯が出土しました。墳丘の形態や副葬品などの状況から、10号墳が構築されたのは6世紀末葉から7世紀前葉と考えられます。
13号墳は円墳と考えられていましたが、造り出し部に主体部(箱式石棺)を持つ帆立貝式古墳であることが分かりました。主体部は完全に破壊されて、墳頂下から土師器の杯が出土しました。13号墳が構築されたのは周溝での10号墳との切り合いや出土した遺物の状況から7世紀前葉から中葉と考えられます。 |
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■調査前墳丘 手前10号墳 |
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■10号墳土層断面 |
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■10号墳主体部遺物出土状況 |
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■10号墳主体部 |
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