神野遺跡は北浦に面した舌状台地上に位置し、縄文時代後期から晩期の遺跡です。
平成14年10~11月の発掘調査では、縄文時代後晩期の集落址及び貝塚が見つかりました。
貝塚の貝層は縄文時代後期前葉堀之内1式期から廃棄堆積が開始され、一時中断する期間を挟み、晩期中葉にまでわたっています。なお、貝類については、鹹水性のハマグリ・バカガイ・シオフキ等が主体を占め、晩期の一時期にはアカニシの単純貝層が入り、計16種の貝種を確認しました。貝種からは当時の遺跡周辺の自然環境が内湾のやや奥まった浅い砂泥底の海であったと推定できます。
貝塚近くの土坑内からは完形の浅鉢・深鉢等の土器及び多数の土器片、獣骨・魚骨等が見つかりました。貝層中からはヤス状刺突具5点、土器片錘が見つかり、当時の漁労活動の一端を伺うことができます。また未製品ではありますがベンケイガイ製の貝輪1点も見つかりました。 調査で見つかった主な遺物は縄文時代後期・晩期の土器、土製品(土器片錘・土製円板・土偶脚部)、石器・石製品(磨石・石皿・砥石・軽石製品)、骨角製品(ヤス状刺突具)、獣骨(イノシシ・ニホンジカ・イヌ・アシカ類)、魚骨(クロダイ・スズキ・コチ・サメ類 等)、貝類(ハマグリ・バカガイ・シオフキ・アカニシ・オキシジミ等)、貝輪です。 |
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