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柄頭(つかがしら)とは、刀の柄(つか)の先の部分やその部分を覆う金具のことです。
この鉄製の柄頭は、昭和57年に明治大学が行った宮中野古墳群の発掘調査で、大塚古墳という円墳から発見されたました。レントゲン撮影を行なったところ、銀の象嵌(ぞうがん)が施されていることが分かりました。象嵌とは、一つの素材に異質の素材を嵌め込んで、図像や文様、文字を表現する工芸技法です。口の部分はU 字状の模様が、本体部分は葉のようなハートのような文様が施されいます。また、布の一部が付着しており、埋葬時には刀が布にくるまれていた可能性もあります。
大塚古墳は全国でもトップクラスの終末期円墳であり、鹿嶋の中で最も有力な権力者の墓と考えられていますが、その石室は、造営から間もなく石材が完全に破壊されたと見られ、ベンガラで赤く染められた石材の破片の間から、この耳環やその他の副葬品が見つかりました。 |
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