第6回 今年こそウマ(馬)くマウ(舞)こと祈る午の年 “線刻土器”

2017/04/25
 
厨台遺跡の発掘調査で、3m四方の小さな平安時代の竪穴住居のカマド跡から発見されました。推定口径約20cmの土師器(素焼きの土器)の鉢の側面に細いヘラのようなもので描かれています。
絵には馬の首と前足付近が描かれ、右足をあげて、木の枝か何かに近づこうとしている姿が描枯れています。ゆがみ結髪のたてがみ、胸懸(むながい)の様子から乗馬用として飾られた馬と思われ、小さな破片のために全体の様子は不明ですが、絵巻物に描かれる動物画と同様躍動感にあふれています。
これまで土器や絵馬に墨で書かれた馬の絵は例がありますが、線刻の絵はとても珍しく、馬を描いた意図が何なのか興味のあるところです。

カテゴリ:埋文ニュース-市内史跡めぐり