第22回 祈り -片岡遺跡の土偶-

2017/04/25
みなさん今日は「鹿嶋市どきどきセンター」の逸品、片岡遺跡の土偶を紹介するよ。

この土偶は胸がふくらんでいるからたぶん鼻の高い美人?女性。よく見ると顔や体に細かい文様があるんだ。後頭部・額・のどから胸には粘土

ひもを貼り付けてキザミを入れ渦巻きを描き、まゆ・目・口も粘土ひもを貼り付けてキザミを入れて表現している。顔・背には縄文が付けられている。この時期の土器にも同様な文様が見られるんだ。
縄文時代後期の集落跡である片岡遺跡(かたおかいせき)から見つかった時は頭・肩・胴部がバラバラ。頭と体が10m以上も離れたところから見つかったんだ。前に紹介したイノシシの土偶とは調査区が別で約150m離れていて、作られた時期もこちらがちょっと前。
今から3500年前、片岡に住んでいた人々も土偶を用いて安産などを祈っていた。土偶は妊婦や女性を形取った物がほとんどで、割れた状態で見つかる例が多いため、祈りの時かその後に身代わりにするために割って捨てられたとも考えられているんだ。この土偶も祈りの後割られたなら、調査が終わり整理作業の時約3500年ぶりに頭と体がくっついたことになるんだ。
どきどきセンターにはこの土偶以外にも市内から見つかったたくさんの土偶が展示してあるから、ぜひ見に来てね。

 

カテゴリ:埋文ニュース-市内史跡めぐり