第12回 縄文人は未来志向!?注口土器
2017/04/25
縄文時代っていうのは1万年以上も続いていたんだけど、やっぱりその時代には、その時代の流行があって、縄文人はその流行にとっても敏感だったんだ。どんな方法で情報を手に入れたのかはまだわかっていないけど、遠いところで取れるものでも手に入れているから不思議なんだ。物ばかりでなくファッションの流行だってちゃんと取り入れている。写真の土器は前回の土器と同じ片岡遺跡から出土したもので、年代もほぼ同じ約3000年以上前のもの。このヤカン形の土器、把手こそ付いていないけど、どう見たって現代のヤカンにそっくりでしょ。しかもデザインや機能は今のものと殆ど変わらない。土器の体部はテカテカ光沢を帯びるほど丁寧に磨かれているんだ。そして表面には細い竹のようなもので渦巻きか襷のような模様が描かれている。注口土器って言うんだけど、名前のとおりヤカンのような注ぎ口が付いている。お酒か何か飲み物でも入れて、お祭とか儀式のときにでも使って飲んだのかなー。いっしょに出てきた土器も四角い皿や亀の甲羅のような不思議な形をしたものが多くいので、この土器も普通の土器ではないと考えられているんだ。