第13回 縄文人のメッセージ?縄文土器深鉢形土器

2017/04/25


やあ、こんにちは。今回もちょっと珍しいものを紹介します。発掘調査では時おり何千年も前に作られた土器が、まったく無傷で出土することがあるんだけど、これを完形土器と呼んでいます。写真の土器は平成3年3月、片岡の個人住宅の調査で見つかった完形の縄文土器。直径が40cm、深さが140cmの穴の途中に、壁に寄り添うように立った状態で検出されました。中にはサラサラした土と小さな骨片が入っていたから、きっと骨壺に使ったんだろうね。黒っぽい表面には縄文と、ブタの鼻のような突起、それとなにやら記号めいた模様がつけてある。「X」と横にした「U」に似ているんだけど、よく見ると、微妙に組み合わせが違っているように見えるんだけど、皆さんにはどう見えるかな。この土器は今から約3000年前の縄文時代後期〔安行式〕の頃のもので、この時代にはまだ文字が使われていた証拠はないんだけど、縄文人の優れた技術や高い精神性を表す絵や土器は残されているんだから、きっと言葉や文字に変わるもの、たとえば記号かなんかもあったかもしれないね。もしこの模様が墓碑銘のような文字で、縄文人のメッセージだとしたら、そして解読できたら、日本中がアッ、と驚く大発見だよ。

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