第38回 縄文土器のうつりかわり②-「こんにちは縄文土器」

2017/04/25


最初の縄文土器である草創期の土器は、鹿嶋では見つかっていません。次に続く早期は、「縄文海進」がみられ始めた時期で、土器の多くは、底が尖っているのが特徴で、尖底土器と呼ばれ、土器を炉に立てたり、周りを石で支えたりして使ったと考えられています。 文様は、細い糸を撚って木の棒に巻き付けたものを回転させた撚糸文系土器、楕円形や山形の刻みをつけた棒を転がした押型文系土器、土器の表面に貝殻や棒で文様を描いた貝殻・沈線文系土器・ギザギザになっている貝殻の縁を使って条線を引いた条痕文系土器などがあります。条痕文系土器には植物繊維が混入しているため、土器の断面が黒くなっているのが特徴です。
鹿嶋市の早期の遺跡としては、鹿嶋市宮中に所在する伏見遺跡が著名で、前葉の撚糸文系の土器と、中・後葉の貝殻・沈線文系の土器が多く見つかっています。他には、高尾﨑遺跡、西谷A遺跡、マツサキ遺跡、厨台遺跡群からも早期の土器が見つかっています。

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