第40回 縄文土器のうつりかわり④-「こんにちは縄文土器」

2017/04/25


縄文時代中期に入ると土器の文様や装飾は豊かになり、東日本では飛躍的に遺跡数が増えます。中部地方や関東地方の中期前葉・中葉の土器には装飾の多い華やかで立体的な土器があり、口縁部を炎の様に飾ったいわゆる火炎土器が有名です。
中期の前葉・中葉の頃、関東地方東部を中心とする地域に分布する阿玉台式と呼ばれる土器様式があります。阿玉台式土器は、特徴として胎土中に金雲母片を混入しているため土器の表面がキラキラ輝いています。
後半になると加曽利E式土器と呼ばれる口縁部が丸くふくらむ深鉢が現われ、文様はしだいに簡素化されていきます。加曽利E式土器は関東全域と分布圏が広がっていました。
阿玉台式土器・加曽利E式土器は鹿嶋市では、田野辺のミシマ遺跡、宮中の厨台遺跡群を始めとする縄文時代中期の遺跡から見つかり、他の地域の影響を受けている土器も混在しています。

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