第33回 風土記の郷③-今も昔も鉄づくりの街

2017/04/25


 奈良時代の地誌『常陸国風土記』には「慶雲元年(704)国司が鍛冶師を連れて若松の浜で浜砂鉄を採り、これで剣を造った。この若松の浦(若松の浜周辺の浦)は常陸・下総両国の国境であり、その若松の浦の安是の湖(利根川河口周辺)に産する砂鉄は剣を造るとたいそう良く切れる。しかしながら、そこは香島の神の神域にあたるので、松を伐採したり砂鉄を掘ることはできない」と記載されています。当時の製鉄は多くの木炭と砂鉄を使用したので、原料を揃える意味でも香島の神域(神郡)は製鉄に適した場所であったと考えられます。風土記に記載されている製鉄遺跡の特定はできませんが春内遺跡や片岡遺跡など市内にはこの時代の製鉄関連遺跡が多数見つかっています。

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